本欄で再三にわたって警告してきた通り、中国は人民元を「国際通貨」として認定するよう国際通貨基金(IMF)に求めてきた。習近平国家主席はここにきて、対IMF工作を本格化させている。(夕刊フジ

世界の代表的な国際通貨はIMF特別引き出し権(SDR)を構成するドル、ユーロ、円、ポンドの4大通貨で、その一角に食い込めば、国際的な準備通貨としての座を獲得できる。秋のIMF理事会は5年に一度のSDR構成通貨見直しの結論を出す。

IMFによる人民元の国際通貨認定は、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)や習主席がやはり主唱する新シルクロード経済圏(一帯一路)の成否に関わる。

AIIBは世界銀行やアジア開発銀行(ADB)と同様、主として国際金融市場からドル資金を調達するのだが、世界最大の貸し手である日本とドル市場を支配する米国がAIIBに参加しないと、信用力に欠ける。