過去1カ月間が韓国サムスン電子にとってホラーストーリーだったとすれば、この48時間は日本のTDKにとって、それに勝るとも劣らぬ悪夢のようだった。TDKは世界中のスマートフォン(スマホ)メーカーにリチウムイオン電池を供給し、米アップルを最大の顧客としている。

TDKはサムスンの新型スマホ「ギャラクシーノート7」の交換用端末向けに電池を供給しており、交換後の端末はリコール(回収・無償修理)された当初のモデルと同じくらい発火しやすいことが判明しつつあった。だが、11日にはノート7の生産中止と廃止の決定があった。TDKは、この決定によって需要激増の可能性を奪われるかもしれないが、電池が危機の最大の原因だったという潜在的な汚点もなくなったように見える。